欧州の財政懸念
欧州圏での財政難に伴い南欧諸国の国債利回りが上昇し、信用不安が深刻化している。特にポルトガル国債10年物利回りが先週半ばから急上昇し7%強と昨年11月に付けたユーロ導入後の最高水準まで上昇していた。この7%はアイルランドが支援要請を迫られた際の水準として、欧州圏の財政危機を計る上での目安のひとつになっている水準である。そのため欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が支援に入ったギリシャやアイルランドに続いて、ポルトガルへの懸念が拡大したということである。またポルトガルやスペイン、イタリアなどが今週12日から13日にかけて今年最初の中長期国債の入札を予定していたことが、難航を予想する一部の投資家の思惑を受け市場に警戒感が広がっていた。さらに、ノーベル経済学賞を受賞したピサリデス氏が「スペイン破綻ならユーロ終えんの恐れ」、「EUにはスペイン救済の資源がない」 と発言したことがユーロの重しとなっていた。この不安連鎖に対し、入札前の10日には欧州中央銀行(ECB)が信用不安に対応するため断続的にポルトガル国債を購入しているとの見方が浮上したり、11日には欧州圏防衛のテコ入れとして本邦政府が信用不安のアイルランドを支援するために今月内に欧州金融安定基金が発行する欧州金融安定化債(EFSF債)を1000億円規模で購入すると公表、またポルトガルのソクラテス首相は「噂は否定する。市場で資金調達する手段を持っている」とコメントして火消しに躍起になっていた。
ポルトガル国内では、同国政府が昨年から公務員の給与削減や付加価値税率(日本の消費税と同じ)の引き上げなど実施し、2010年の財政赤字GDP比率7.3%を、2011年にはGDP比率4.6%に抑える計画を掲げるなど緊縮財政を発表している。
現状ではポルトガルやスペイン、イタリアの国債入札の結果が順調であったことを好感し、欧州の財政問題への懸念が一時的に緩和してユーロが買い戻されている。ただ、イタリアが2~3月に、ポルトガルやスペインは4月に多額の国債償還を控え、その償還資金を円滑に調達できるかどうかの課題が残されている。欧州の財政懸念は、いまだ不安定な状況にあることを再認識する必要がある。
主な欧州国債の入札・償還日日程
・1月20日〜 スペイン10年債入札
・2月中〜 イタリア186億ユーロ償還
・3月中〜 イタリア280億ユーロ償還
・4月中〜 ポルトガル45億ユーロ償還、スペイン155億ユーロ償還
・6月中〜 ポルトガル50億ユーロ償還
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※以下引用先
[Thomson Reuters]